先週の土曜日、友人の写真同好会が開かれ、世話役H氏から、“どうしても見たいのですが”と話のあった、C市のアマチュア映画クラブ会長のS氏を招いて、話を聞きながら、S氏の制作した映画「翔天の詩」(8ミリ映画をDVD化した作品)を拝見した。
S氏は今年87歳、元気に過ごされていますが、アマチュア映画クラブの仲間が次々と退会され、遂に昨年クラブを解散することになってしまいました。
8ミリ映画全盛時代に、多くの作品を制作され、今回拝見した作品も、H国際アマチュア映像祭入賞作品でした。
作品は、かつてC市にあった航空基地から、特攻隊員として出撃し亡くなったU少尉とS氏の出会いをドキュメンタリー映画に仕上げたものでした。
素晴らしい作品でした。
ぼそぼそと話される”特攻隊員U少尉との出会い”、そして”攻機に乗り込み艦船に突っ込み亡くなったU隊員の心”、さらに”U少尉のお母さんの事”を、自分のナレーションで語る作品でした。
よく、戦争を語り継ぐと言って、軍隊の事や戦争中の暮らしの事、空襲の事などを話しているのを見かけますが、実際に戦争体験をしていない方々の当時の資料を使った話よりも、老アマチュア映画作家S氏の実体験談や、自作されたドキュメンタリー映画は身に迫るものがありました。
よく、アーカイブ化云々と言われますが、地元の方々それもごく一部の方々しか知らない実際に経験された方の映像作品こそ、しっかりと受け継いでいかなくてはならないのではないでしょうか、視聴覚センター・ライブラリーの存在価値は、こういう所にあると思うのです。
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